2008年 11月 28日
今年も母の味の沢庵漬け
母から受け継いだ沢庵漬けです。
商売柄職人さんの来客が多い我家は、お茶菓子よりも漬物が良く売れます。
寒い時期に沢庵は無くてはならない漬物の一つ。^^
りんごと柿を細かく刻んで。

母の沢庵は砂糖は使わずりんごと柿の実で甘味を付けます。
米ぬか、りんご、柿、昆布、唐辛子、塩、沢庵漬けの素(醸源)、着色料をほんのちょっぴり。
今年は茄子の葉の乾燥したものが手に入りませんでした。

隙間無く沢庵を詰め、一段ごとに良く混ぜ合わせた糠をまぶし、最後まで詰め終わったところ。
重石を置く前に、干し大根の葉の部分を一番上に置き私の全体重で踏み固め、隙間を無くす様にします。

押し蓋をし、水が上がるまでは3重の重石。
食べられるのは20日後? 一ヵ月後?

沢庵を漬けるようになって14年になります。
それまでは毎年母が漬けた沢庵を樽ごと貰って来ていました。
手伝いながら一緒に漬けたこともありましたが、母に言いつけられた事をしてる間に
一番知りたい塩分調合を済ませてしまい、教えて貰えず終い。
母本人が感覚で覚えた物を、数字で表せなかったのも分かるのですが・・・。
母は夏風邪が元で髄膜炎になり、菌の種類が突き止められずに脳にまで菌が回ってしまい
意志の疎通はおろか、動く事も言葉を喋ることも無く人工呼吸機で生かされ
1年4ヵ月後に亡くなりました。
初めて一人で沢庵を漬けた晩に母の夢を見ました。
入院してる時の浴衣姿で私の沢庵を見に来てくれ・・・
でも、一言も喋らずニコっと笑って行ってしまうんです。
お母さん、一人で漬けたよ、見て!
味見して行ってよ~!
漬けた晩に味見なんて出来ないのに、必死に母を引き止めてる夢でした。
初めて漬けた沢庵の味は母のと違ってキレがありませんでしたが
父は「お母さんの味がするぞ」と言ってくれたんです。
遠慮の無い妹は「あぁ~まだまだ、お母さんの味には程遠いね~」って、正直な感想だったと思うのですが
父は「うるさい! 自分で出来もしないのに生意気を言うんじゃ~ないっ!」と妹を叱っていました。
今になって思うと、早くお母さんの味になるように褒めて励ましてくれたんだと思います。
お父さん、おかあさん、今年も懲りずにまた沢庵を漬けました。
出来たら焼酎と一緒にお仏壇にお供えするから、二人で味見してくさいね^^
▲ by choco_choco_hi | 2008-11-28 08:39 | お料理